加藤 和
私は、花粉症の専門家でも、医者でも、政治家でもありません。
ただの、日本に何千万人といる花粉症患者の一人として、毎年、春になるとひどい花粉症に苦しめられてきました。目は痒い、くしゃみは出る、夜は鼻が詰まって眠れない。一番嫌いな季節 は? と聞かれたら、迷うことなく「春」と答えます。
花粉症になるのは、自分の体が弱いからだと思っていました。春になって、スギの木が花粉を飛ばすのは、自然なことです。昔は、花粉症は無かったというのだし、現代病の一種だと思っていました。健康に気をつけなきゃ、なんてことを思っていました。
しかし、いろいろと知識が増えてくると、花粉症は現代病ではなく、人間が引き起こした「公害」だと思うようになりました。そして、解決可能な問題だとも思うようになりました。
まず、花粉症の原因となるスギの木は、自然に生えているものではなく、「人が植えたもの」なのです。それまで私は、スギは自然に生えているもので、そこから花粉が飛ぶのだから、花粉症になるのはしょうがないと思っていました。でも、人が植えたものとなると、話は違います。
例えば、近くにキャベツの畑があって、そこから匂いがする。その匂いで、周囲の住民は健康被害に遭っている。もしそんなことがあったら「キャベツを植えるな」と言いますよね。
百歩譲って、みんなキャベツを食べているんだから仕方が無い、と言うかもしれません。では、もし、誰も食べない野菜が植えられていたら? その、誰も食べない野菜から出る匂いで、健康被害が出ていたら? そんな畑は無くしてしまえ、と言いますよね。そもそも、自然に生えたものでもないし、役に立っているものでもないのだから。
花粉症というのは、このような問題です。スギは自然に生えたものではなく、人が植えたものです。そして、そのほとんどは材木として使われもせず、なんの役にも立っていません。さらに、自然保護どころか、自然を破壊しています。むしろスギは無くなった方が、自然は増えるのです。
「だったら、切ればいいじゃないか」
そうです。切ればいいんです。話は、すごく単純なんです。使われてもいないし、切った方が環境も良くなる。もちろん、花粉症も無くなる。だったら、切ればいいんです。
問題は、切るのに「お金がかかる」ことです。木材価格は安く、スギの木を切って売ると「赤字」になってしまいます。切れば切るほど、損をする。だから、誰も切らない。しかも、スギは日本 全国に70億本もあります。面積は700万ヘクタール。九州の2倍ほどの面積に、スギが植っています。
想像してみてください。切れば切るだけ赤字になるスギの木が、九州の2倍の面積に、植えられているのです。どうしますか? ボランティアで木を切ったり、お金持ちが何十億円を寄付したぐらいでは、焼石に水です。このレベルの話は「国策」で解決するしかないと思っています。
幸い、日本は民主主義の国です。選挙を通じて、代表者を国会へ送り出し、国民の要望を叶えます。だったら、そのシステムを使うのが、一番、正しいですよね。ということで、選挙を通じて、花粉症を解決する国会議員を、国会へ送り込み、国の予算を使って、花粉症を解決したいと思っています。
最初に言ったように、私は、ただの一国民です。親が政治家なわけでもないし、お金持ちでもないし、医療の専門家でもありません。ただ、花粉症を治したい。未来の日本に、花粉症を残したくない。だから、このような政治団体を作り、多くの人に協力してもらい、花粉症を解決しようと思いました。どうぞよろしくお願いいたします。